2021年8月30日の日記 近況とスタライの話
近況
ちゃんとした記事を更新したいが、億劫になるから日記形式で気軽にと思っていたのだが、日記すらも億劫になっている。
所詮は自己満足でしかないし更新しないからって何の問題もないから良いのだけれど……。
では何故急に更新したかといえば先日、スタライのハーフアニバーサリーの記念放送を見たからだ。
事前の告知PVでイラストがチラ見えしていたので、ようやく香坂怜にも高レアカードが実装されるというのは予測できていたのだが、攻略キャラクターと表現されるのは予想していなかった。
金色のコルダ スターライトオーケストラと私
話はリリース前に遡るが、事前登録の告知でキャラは新規だがキャストは歴代シリーズの出演陣からというのがなかなか面白い試みに思えた。一覧に女性キャストもいるしワンチャン百合あるかと思って事前登録したのだった。
金色のコルダは原作ゲームは未プレイだがアニメのprimo passoもBlue♪Skyもリアルタイムで見ていた。アニメでは恋愛要素よりも音楽に真摯に向き合う青春要素が強く感じられ、あまり女性向けという意識もなく楽しんでいたように思う。
補足
Wikipedia確認するとprimo passoは2006年秋開始か……。メモもないし当時どう思っていたか正確なところは思い出せないのだが、マリみては履修済みで百合の概念は認識していた頃ではあるし、冬海笙子との関係性は興味深く見ていたような気がする。
リリース後ゲームシステムの感想等々は気が向けば別で立項するとして、端的に言うと好感は持っていて、費用対効果を考えてパスも買い、イベントガチャの1日1回有償割引を引けるくらいには課金もしている。
蓋を開けてみればカード化された女性キャラが香坂怜のNのみというのは残念ではあるが、男性キャラが嫌なわけでもないし。またシリーズゆかりのキャストという所に味がある。それこそ土浦でイケボだなと思っていたが三枚目や悪役のイメージが強いイトケンさんやあのジョニー別府役の保村さんが二枚目演じているだけで感慨深い。
実のところ主人公に対する甘いセリフなどは興味ないからキャラストーリーは読んでなかったりするのだが、メインストーリーは大体二人セットで男同士の関係性を軸にした青春ドラマな面があるのでそこは味わい深い。
香坂怜に関する考察
香坂怜については公式のキャラ説明と本編の印象が違うのが気になった。公式HPにはスキャンダルの女王と呼ばれる恋の達人で目的があって主人公に近づくとあるが、本編中にスキャンダルを匂わせるシーンが全く見当たらない。
第一にキャラが集合する場面では人当たりの良い優しい先輩然としていて悪い噂があるようには思えない。オーケストラメンバーが学科違いだったり外部生だったりという所で誤魔化しているという説明も考えられなくはないが、無理があるだろう。公式の説明で女王と呼称されるくらいに有名であれば耳に入らないことはないだろうし、メインストーリーの間にその点を誰からも突っ込まれないのは不自然に感じる。
他方、HOME画面に配置したときのセリフやイベント時のWALK画面の会話などは相当に攻めた内容であり違った一面を見せる。額面通りに読めば愛のささやきでしかない。ただ冗談めかすことで真意は読めなくなっており、主人公に近づく目的の伏線とも取れる。細かな状況説明はないが、内容からすれば周囲に人がいない場合に見せる顔ではないだろうか。つまり主人公と二人きりの状況においてミステリアスな先輩という印象だ。
また他キャラメインのストーリー時に主人公に恋愛的なアドバイスを送るなど恋の達人と取れる場面も確認できた。
上記から正直に言うと軸が定まっていないというか、サブキャラクター的に便利に使われている印象さえ受けてしまっていた。さすがにレアリティNとはいえ実装しておいてそのままってことはないだろうし、いずれは高レアもと思ってはいたが、思わせぶりなセリフを言うくらいで踏み込んだ扱いにはしないのではないかと考えた時期もありました。その矢先に攻略キャラクター化の発表である。SSR実装しますと言う発表で済まさず、攻略という表現を使った意図は何だろうか?
補足
そこまで期待していなかった分、期間限定イベントの主役かつ各レアリティを一気に実装・ピックアップというのは豪華に思えたが、極めて合理的かつ、ある面では酷かもしれない。つまり運営側にターゲット層を分けて様子を見る意図があるように思える。このイベントにおける各種統計の数字で今後の女性キャラの扱いが変わる可能性がある。ちなみに自分はキャラクターを餌に短期的に収益を上げようとするガチャシステムを嫌っているので、イベントガチャ目的で課金することはないが、有償ジュエルは長期的なリターン(1日1回の有償割引を引くこと)のために必要なのでPASS会員限定のパックをイベント合わせで買うくらいの貢献はする予定。まあ香坂怜ピックアップのために半年間貯め続けた無料ジュエルが12000ほどあるので、課金せずともガチャの回転数では貢献できるだろう。
攻略という表現について
そもそも本作のようなシステムで「攻略」とはどういう意味を持つのか?ADVの文脈であれば個別ルートがあることと同義だと思われるが、本作での表現はどうなっているのか。
既存の男性キャラは言わずもがな攻略対象ではあるという認識だろうし、一つ明確な指標があるとすればストーリーのキャラページだろう。
香坂怜のNにも好感度ゲージは設定されているにもかかわらず、キャラページの星奏学院の欄に香坂怜は表示されていなかった。
今回のイベントを期に香坂怜も一覧に表示され、ストーリーが解放される。そしてキャラストーリーが所謂個別ルートに相当するという意味で攻略できるようになったという表現がされたということだろう。
補足
上記ページ開放はイベント開始前に図らずも正しいことが判明。気づきはしなかったが、ゲーム中のお知らせによるとフライングでキャラクター一覧に表示される不具合があったらしい。
期待と不安
乙女ゲームで女性キャラが攻略対象になるというだけで興味深い現象が起こっていると言える。手を出した時点でそうなったら良いなとは思っていたが、実際発表されてみると不安がないこともない。
そもそも乙女ゲームに明るくないのだが、百合展開を期待しても良いのだろうか?
香坂怜に関してはHOME画面やWALK時の会話であれだけ攻めているのだから、個別のストーリーでも当然熱いセリフがあってしかるべきだろう。個別になれば主人公の選択肢も出てくるだろうし、歓迎するアクションを取った場合どう展開するのだろう。結果的に既存のセリフがハードルを上げてしまっているように思うが大丈夫だろうか。
また香坂怜に関しては甘いセリフが聞ければ満足という話にはできない。
他の男性キャラはメインストーリー中で課題と解決のプロセスを経てスタオケに参加するという流れがあり、関係値の土台が示されているため、個別では甘いセリフが聞けるだけでも価値が出る。一方の香坂怜はふわっと合流した形でほとんど掘り下げられていないし、前述の通り普段からちょっとした会話で頻繁に甘いセリフが聞けるため、相対的に価値が低くなってしまっている。
真に求められるのはキャラクターの掘り下げで、主人公に近づいた理由が鍵と思われるが、どこで回収されるのだろうか?スタオケ全体に関わる内容であれば、今回実装の期間限定イベントやキャラストーリーで明かすのは筋が悪く、メインストーリーで明かすとした場合、次の9章がクライマックスでグランツとの対決が予告されており差し込む余裕があるのか疑問が残る。
近づいた理由如何によっては、甘いセリフが本当に冗談にされてしまう残念なエンドになりかねないのが怖いが、折角なので百合的に正解となる模範解答を考えてみよう。
まずは個別のストーリーで完結するベタな展開。近づいた理由がストレートに一目惚れしたというもので、冗談めかした態度は保険で愛のささやきは本心だった。ひねりもなくキャラ紹介の伏線回収としては弱く肩透かしの面もあるが、百合力はシンプルに高い。
別案としてスタオケ全体に関わる壮大な展開。近づいた理由が何者かがスタオケの動向を探るために送り込んだスパイというもの。3章というタイミングでスタオケに注目している何者かとしては月城慧くらいしか該当せず、この理由であれば9章のクライマックスに差し込む展開もあり得ると思われる(スパイにしては伏線なさすぎて唐突には感じるが)。恋愛の達人という設定が情報を得る武器として用意されているが、なんだかんだ男性メンバーは主人公を気にかけているわけで、情報を得るためには主人公と仲良くするのが手っ取り早いとなる。この場合の百合展開としては、最初のうち愛のささやきは距離を縮めるための軽口でただの冗談だったが、主人公の近くで過ごすうちに本気になったという妄想が捗る。
何にせよ9月中のアップデートで香坂怜の考察は伸びる。まあ金色のコルダだからプレイしているのであって、最悪百合要素がなくても文句はないのだが、モチベーションには直結してくるわけで戦々恐々としながらも楽しみに待ちたい。
補足
記念放送でインタビューや小冊子付きと聞き、乙女ゲームにおける女性キャラの立ち位置の観測にもなるかと思ってB's-LOGを買ってみた。プロデューサー兼シナリオライターの松濤明子氏とキャラデザの高山しのぶ氏のインタビューは読み応えあって面白い。凛のマニュキュアの色や大我のピアスのデザインなどあまりじっくり見てなかったので初めて知る情報も多かった。香坂怜の裏話もしっかりあって上でサブキャラクターなどと書いて申し訳なく思った。ただ女性から見て嫌われないようにという妥当な目標は分かったが、最終的にどこまで描きたいかは読めないし、予想はしていたことだがコルダ以外の記事で主人公以外の女性キャラは全く取り上げられていないため、乙女ゲームにおける女性キャラの需要は読んでもつかめなかった。