2020年7月19日の日記
小説を最後まで読んだのは数年ぶりじゃないか?読書習慣がなくなってからも最低限アンテナは張って購入のみの積読期間が長かった。このままじゃいかんと思って偶々本棚の見えるところに積んでいた以下で紹介する小説を読んでみたらすんなり1話分読めた。
次の日仕事の深夜だったので一旦は止め、週末に続きを読む。本日読了し、紹介したいと思えるほどに気に入ったのでこれを書いている。
しかし、もっと早くに時間だけ無為に取られて物語性のないスマホゲーからは足を洗い読書習慣を身に着けるべきだと反省した。ちょうど惰性で続けていたゲームは一気に整理し、余裕が出てきたので今後は数年単位(ひどい)積んだ小説、漫画、百合同人誌を崩す作業を進めたい。
昭和少女探偵團(彩藤アザミ)
2019/01/27 honto通販にて購入。1/29着。2018/12/1発行。新潮文庫nex。
たまたまどこかのレコメンド機能で目に入りあらすじ読んだら面白そうだから購入した覚えがある。履歴見たら1年半も前とは。ついでに言えば崩す前に続編情報が来て、読んでないけど悪くなかろうと思ってポチっているんだが。
読後感想(ネタバレなし)
作者は平成元年生まれで昭和初期舞台?軽くパラパラ見ると文体軽そうだし、中身伴っている?と読み始める前は上から目線にも不安に思ったが全くの杞憂だった。 いや別に自分だってその時代に詳しいわけでもないし描写が的確かどうかの判断ができるわけではないんだが、雰囲気だけでその時代にしてるのではなく、書きたいテーマに対して必然的に選んだようには感じられた。 舞台としても女学校内に留まらず、学外に出て大人の男性も普通に出てくるのは評価できる。(それこそ学内だけなら時代背景活きないわけだし) 逆に話が大きくなり過ぎてて動機など重箱の隅を突っつきたくもなる箇所もあるんだが、キャラの個性や会話劇でぐいぐい引き込まれるのでエンタメ小説として文句なしである。
まあそんな客観的な感想は脇に置いといて、ここからは個人的趣味の視点で語る。 帯や売り文句には何も書いてないが、あらすじから百合の薫りは匂ってはいるし、当然こちらもそれに期待していた部分はある。 読後の感想として百合か百合じゃないかで言えば間違いなく百合だった。直接的にガツンとくる描写こそないが匂わせとしては十分にちりばめられている。特にエピローグの探偵役のモノローグは味わい深い。 欲を言えばエス関係に言及するのなら、もっと掘り下げてくれと思わなくもない。お姉さま持ちの親友の出番がまるでなく、何ならいなくても話が成り立つのは一体どういうことだろう。ただの惚気にしかならなくて編集でカットされたとでも思っておけば良いのか?
まとめると百合作品としても次巻(既に購入済み)以降への期待込みで楽しめる良作だった。おすすめ。